モノクロ
外は雪景色。
家の中もモノクロ。
とらじは俺の分身だと思ってた。
自分の好き嫌いを貫き、群れるのを嫌い、ストレスを嫌い、好きな道を貫く。
とらじは末期の心臓病だった。
今思えば、本人はわかってたんだろう。あれだけ好きだったご飯を断ち、体温が下がり、冷たい場所を探していた。そのまま最後を迎えたかった。
なのに俺はそんな現実に抗い、大嫌いだった病院に連れていき、たくさん痛い思いさせて、何より嫌いだったストレスの中、死なせてしまった。
死を前にしても最後まで己を貫こうとしたとらじ。
死を前にして己を忘れ、現実に抗った俺。
俺たちは分身じゃなかった。
ダサくて弱い俺なんかとは不釣り合いな最後までかっこいい相棒だった。
夜更かしばかりで、旅行や外出好きだった俺の生活はとらじがきてから一変した。
早起きして、旅行をやめ、外出しても極力早く帰るようにした。
不自由だったけど、幸せだった。
俺を必要としてくれる家族以上の存在がいたから。
普段スピリチュアルとか信じないくせに、ここまで落ち込むと信じたくもなる。
猫の魂はずっといるとか、生まれ変わるとか、、信じよう。
この10年で数え切れないくらいの幸せを提供してくれた俺の天使は、最後は人生の師匠となって本当の天使になった。
今日もそばにいる。たくさん語る。
ありがとう。